「いつまで生きるか?」と「いつ死ぬか?」

生きていることを実感する瞬間が人にはあると思う。また逆に、死期というものを意識する刹那もあるだろう。

「あなたは30年後には必ず死にます」ともし仮に言われたとして驚愕をするだろうか? 人がいつか死ぬことは変えようのない事実であって、40歳代の私が30年後ぐらいに死ぬだろうことは常識として当然理解しているし納得もしている。
では、「1年後に死にます」と言われたならどうだろう? 多くの人は慌てふためき悲しむのではないか? 人が必ず死ぬことを理解はしていてもそれが1年後だと言われれば狼狽し、30年後と聞けば泰然としている。

一体、死ぬと言われても何年後までならば平然と受け止められるのだろう? 3年後? 5年後?
私は10年ぐらいではないかと考えている。10年間の猶予があれば、し残したことを経験し、遺族への準備も出来そうだ。私の場合は、好きなバイクを買って思いっきりサーキットを楽しみ、仕事で得た知識を後人のために文書としてまとめることに費やすだろう。海外旅行を家族と楽しむ事も忘れない。

「自分の人生はあと10年」といつも思うようにしている。実際、糖尿病を患っている身は平均寿命が10年短いとされている。つまり68歳だ。さらに、身体が自由に動く年齢はそれよりも10年遡ることになるだろう。58歳。「ざっくり言ってあと10年」と考えることの合理性は相当ある。

「10年後に死にます」と思うのではなく、「10年間生きられます」と考えればいいのだ。これを突き詰めていけば、「5年後に死にます」と言われようが「1年後に」と宣告されようが心構えは同じだ。仕事のスケジュールがそうであるように、むしろ短く区切られた方が計画の精度が上がり具体性も増す。ただし、短い期間に沢山のことを詰め込みすぎるとデス・マーチになるので要注意だ。それでなくても死の間際なんだから(笑)。

ミコのように「あと1年」といつ言われてもいいように、出来ることは今のうちにやっておこう。